高齢者の運転事故や、認知症の方の徘徊等、
テレビ等ではネガティブなニュースが多いように感じます。
実際、車を日常的に運転している方は
高齢者の方の運転にヒヤッとすることも多いですよね。
その中でも、
【認知症】については
当事者やその家族、介護や医療に関わる仕事をしている人でないと
ほとんどがその知識を持ち合わせていないのが現状です。
学校では知識として「こんな高齢者の病気があるよ」ほどのことは学ぶかもしれませんが、
その対応や、「もし身近な人が認知症になったら。。。」
ということまでは深く学ばないことですし。
そんなわけでふと、
「認知症の人が見ている世界」
のことが気になり、たまたま本屋さんで読みやすそうな本を見つけたので
ご紹介したいと思います。
まず、【認知症】とは?簡単に説明。
【認知症】は病気の一つです。
認知症は、主に加齢に伴って脳の機能が低下し、
- 認識や思考
- 記憶
- 判断力
- 言語能力
などが障害される状態を指します。
病気は徐々に進行していき、
- 認知機能の低下
- 日常生活の困難さ
を引き起こすことがあります。
認知症の症状には、
- 記憶の障害
- 言葉の問題
- 物事の判断や計画の困難
- 時間や場所の混乱
- 性格や行動の変化
などが含まれます。
治療法はあるの?
現時点では完全な治療法はなく、
認知症の進行を遅らせたり症状を緩和するための
ケアやサポートが主なアプローチとなっています。
- 早期の発見
- 適切なサポート
が、認知症の人々やその家族の生活の質を改善するのに役立つことがあります。
認知症の人が見ている世界をマンガで見せてくれる本!
認知症についての本はこれまで、認知症の方への対応や、
病気に対する理解を求めるものが多かったように見受けられます。
でも、この
【マンガでわかる!認知症の人が見ている世界】では、
認知症の人が実際にどんな風に見て、考え、感じているかに焦点が当てられています。
文字ばかりではなく、マンガでも解説されているので、
これまでお年寄りと接したことがほとんどない方にも
とてもわかりやすい内容です。
※【マンガでわかる!認知症の人が見ている世界】より引用
認知症になっている本人が一番混乱して困っている!
この本で衝撃的だったのが、
認知症の人にとって、
【認知症であることがとても精神的に辛く、混乱の毎日が続いている】
ということです。
認知の機能が低下することによって色々な間違いを起こしたり、
大切な事を忘れてしまったり、
または忘れないように何度も同じことを繰り返して介護者に聞いてしまったり、
ものを次々と無くしてしまって不安に感じたり、、、
※【マンガでわかる!認知症の人が見ている世界】より引用
等々、認知症で必ず聞くような症状やトラブルで、
介護者以上に本人が困っているとは思ってもみませんでした。
認知症の本人の胸の内までは正直考えたことがなかったからです。
以下、本を書かれた川端先生の言葉を引用します。
認知症の人は理由もなく不可解な行動や言動を取るのではありません。
むしろ、認知症の人は懸命に考えているのです。
その心の内が見えれば、不可解な言動にも理由や意味があることがわかります。
理由がわかれば、ケアをする側の心理的な負担が軽減され、
認知症の人が愛おしく思えるようになり、優しく接することができるのです。
なんだか、認知症の方への自分の中のイメージが覆された瞬間でした。
私の亡くなった祖父母も、晩年は認知症の症状が色濃く出ていました。
その時にこの本に既に出会っていたなら、、、と思うと悔やまれます。
認知症はまだまだ未知の病気。
認知症には進行を止めるための有効な薬はありません。(※2023年現時点)
しかし、認知症当事者の周囲の理解や適切なサポートによって、症状の進行が緩やかになるケースが多く確認されているそうです。
本人にとっても周囲のサポートがあると精神的に良いでしょうね。
※【マンガでわかる!認知症の人が見ている世界】より引用
認知症の人が生活しやすい社会は、誰にとっても暮らしやすい社会。
こうして認知症を少しでも知ろうとすることで、
認知症への怖さがなくなったり、
自分の中に少しあったかもしれない偏見に気づくことができました。
認知症に限らず、
お年寄りの方、体のどこかが不自由で暮らしにくい思いをされている方、
ユニークな個性のために苦しい思いをされている方、、、
考え出したらキリがありませんが、
「相手の気持ちを想像し、愛を持って接する」事によって
視野が広がり、
自分も周囲も暮らしやすくなるのだと感じます。
この本がたくさんの方に読まれ、広がり、
少しでも苦しい思いをされている認知症の方、
サポートされているご家族や介護者の方の気持ちを
少しでも軽くしてくてくれることを願っています。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
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